6 韓国本屋事情
韓国に住んだことのある複数の人々の証言によれば、韓国にはそもそも本屋が少ないのだそうです。ソウルに教保文庫、という超大型書店はありますが、それ以外の本屋が少ない。
地方都市には、もちろん本屋なんて存在しない。
当然、神田のような古書店街なんて、望むべくもない。図書館も少ないそうです。
これでは、文学の育ちようがない。
これから、韓国でも、日本語からの翻訳本に対抗して通用する文学が現れるかも知れません。それが望ましいと思います。
しかし、今現在のところ、韓国における文学書ランキングの上位に、かなりの数の日本人作家が食い込んでいることは否定できません。
話を、田麗玉にもどします。
さて、この本音を吐いた後「悲しい日本人」は、もう抱腹絶倒するしかない、単なる日本に対する感情的な罵詈雑言に終始します。客観性もへったくれもあったもんじゃありません。
笑いすぎて、お腹が痛かったです。
そう言えば、スピノザは、このイルボヌン・オプタを「私のバイブルです」と愛しそうに抱き締める韓国の女学生を、十数年前にテレビで見た記憶があります。こんなとんでも本が百万部以上も売れるとは。そして、それがバイブルとは。
そして、こういうとんでも本を書いた田麗玉が、2011年時点での大野党、ハンナラ党の広報責任者である、という事実には、何か薄ら寒いものを覚えます。(もっとも、日本の現与党・民主党も、いかれっぷりは大概なものですが)。
話が脱線しました。2002年の、スピノザの読書の話でした。
一ヶ月ぐらいかけて、嫌韓、親韓、様々な立場から書かれた本を百冊近く読みました。まあ、この頃出ていたコリア関係の本は、一日に二〜三冊は読めるような本ばかりでしたから。
手持ちを読み終わると真夜中でも本屋に走って、「韓国」と書いてある本なら手当たり次第に買い求めました。それでも足りなくなると図書館へ。
著者は、日本人だったり、在日コリアンだったり、田麗玉みたいな韓国人そのものだったりしました。
田麗玉に対抗して「日本はある」なんていう本を書いた韓国人もいました。こちらは、売れなかったようですが。中には、亡命した北朝鮮の元外交官までいました。
そしてスピノザは、徐々に確信を深めていきました。どうやら、ハングル板に書いてある、上質な情報は、全て本当のことのようだ、と。
しかし、困惑したことも事実です。
では、スピノザが教えてきた、従軍慰安婦や朝鮮人強制連行などは、嘘だったのでしょうか。スピノザは、生徒に間違ったことを教えてきたのでしょうか。
それは、教員として、最も恥ずべきことです。
スピノザは、さらに本を読みあさり、ハングル板を読み込みました。
ハングル板の書き込みや、本で読んで得た知識から、一つの非常に不思議な民族像が浮かび上がってきました。