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16 もう一つのワールドカップ

 若者の間で、嫌韓感情が広がったのは、2002年サッカー・ワールドカップがきっかけだったと書きました。
 ところで、オリンピックにパラリンピックが付きもののように、サッカー・ワールドカップにも知的障害者によるワールドカップ(2002年の場合は、INASーFIDワールドカップJAPAN)というのがあります。
 ところが、健常者のワールドカップは、日韓共催だったのに、INASーFIDワールドカップJAPANは、後ろにJAPANという文字が入っていることから分かるように、日本単独開催でした。
 なぜでしょう?
 それは、韓国側がINASーFIDワールドカップの開催を頑なに拒否したからです。これは、検索すればすぐに分かります。
 その理由が凄いんです。
 醜い障害者など、見たくない。テレビに映し出されたら迷惑だ、というのがその理由なのです。(もし、身体、精神障害者の読者がいらっしゃいましたら、ご免なさい。もっとも、スピノザも酷いうつ病で、障害者二級の認定を受けていますが)。
 この感情が、さきほどのBさんに対する、信じられないような暴言に繋がっていくわけです。韓国では、こういう差別意識がものすごく強いのです。(あの、世界中どこにでも住み着く華僑でさえ、韓国人の差別に耐えかねて逃げ出したというくらいです。それで、一時は韓国に華僑街は存在しなかったのです。さすがに、最近は少しずつ華僑街が出来つつあるようですが)。
 ですから、韓国では、障害者が生まれたときに、海外に養子に出してしまうことが頻繁に行われています。以下、ソースです。

(2009年5月11日[中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=115073&servcode=400&code=400
――(前略)保健福祉家族部が与党ハンナラ党の林斗成(イム・トゥソン)議員に提出した養子縁組資料によると、03ー08年の5年間、国内の家庭に送られた障害児は135人だった。外国の家庭に送られた障害児は3428人で、国内の家庭と養子縁組した児童の25.4倍にのぼった。
 同じ期間に、障害児でない児童の国内家庭との養子縁組(1306人)は、海外家庭との養子縁組(1250人)を上回った。
 大韓社会福祉会のイ・ミラ部長は「障害を持つ児童への支援が不足し、国内より海外の家庭と養子縁組するケースが多くなっている」と説明した。イ部長は「障害児の場合、終生責任を負わなければいけない、という点が大きな負担となっているようだ。(後略)――

 どうやら、アメリカやカナダなどの博愛主義者が、こういう障害児を引き取ってくれるようです。
 それにしても、せっかく生まれてくれた子供を、障害児だからといって外国に輸出する。人間として、人の親としてどうなのでしょうか。(ちなみに、スピノザの知人は、障害児として生まれた我が子を、両親で必死に支えて生きています)。
 まあ、障害児は、韓国人にとって、たとえ我が子であってもナム≠ネのでしょう。
 こんな風に、敵としてのナム、が分かってくると、あの不可解なウリ、という感覚も朧気ながら分かってくるような気がします。
 とは言っても、やはりスピノザには、ウリとかナムというのはまだまだ実感としては理解できない概念ですが。


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