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18 ウリなのナムなの、イルボン(日本)は?
こうした、一種ストーカーのように、ウリとしての日本にたかってくるのは、韓国では一般的な心性のようです。次の引用をお読み下さい。
――2009年7月7日[中央日報/中央日報日本語版]
「韓国が最も厳しい時に外貨を融通してくれたのは、米中日の中で日本が最後だ」
尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官は(中略)このように指摘し、「世界第2位の経済大国なのに、日本は出し惜しみをしている気がする」と語った。(中略)
尹長官は「日本は周辺国が大変な時は率先し、積極的に支援の手をさしのべてほしい。アジア諸国が日本にふがいなさを感じるゆえんだ」と述べた。(後略)――
いかがでしょうか。日本は、隣国だから、いち早く韓国を助けるべきだ。それが当たり前だ。と述べているのです。
それをしない日本は「ふがいない」と。
ちなみに、経済援助たる通貨スワップへのお礼の言葉はありません。
こうして、自分たちが経済的に困ったときには、日本がリーダーシップを発揮しろと言う。
そのくせ、日本の国連安全保障委員会での常任理事国入りには、真っ先に反対を唱えるのですから、言っていることとやることが支離滅裂です。
全く、困ったもんなのです。
韓国人にとって、日本は憎むべきナムでありながら、同時に家族同様に、いや、それ以上に自分たちを助けるべきウリなのです。
傍迷惑なことこの上ありません。
この辺の事情を、知韓派の代表、産経新聞記者、黒田勝弘氏は「日本離れできない韓国人」と評しています。
その一例として、韓国の歴史教科書を取り上げます。
スピノザは、韓国の、小学校、中学校、高等学校の歴史教科書を持っています。明石書店が翻訳、出版したもので、小学校、中学校の教科書は1998年に、高等学校のそれは2000年に翻訳され、初版が発行されています。
もちろん、韓国でも、その後に教科書の改訂がありましたが、改訂されたものは、スピノザは持っていません。まあ、本質には関係ないことですので、この持っている教科書を使います。
明石書店というのは、知る人ぞ知る、真っ赤っ赤な出版社で、間違っても韓国に不利なことなど書きません。
ここでは、小学校の教科書を取り上げたいと思います。正式名称は「国定韓国小学校社会科教科書」と言います。
「小学校」、とあることから少し新しい教科書であることが分かります。韓国は、1995年まで、日帝残滓の国民学校という名称を使っていましたから。
でも、本当は、初等学校というはずなんですが。その辺はケンチャナヨなんでしょうか。
この教科書で特徴的なのは、日本に対する上から目線です。
例えば「我が民族の海外進出」という章では、
「百済の文化を日本に伝えてあげた王仁」
という表現が使われています。p45です。
この後も、そういう表現のオンパレードです。
自分の国に誇りを持つのはいいことですが、こういう文化を教えてあげた≠ニいう表現は、いかがなものかと思います。
この、上から目線≠ニいうのは、コリアンが日本人に対するときに、共通して取る態度です。朝鮮通信士の昔からです。
李氏朝鮮では、日本の奈良時代や平安初期みたいに、役人は漢文で文章を書いていました。
科挙の科目には、漢詩もあります。それで、朝鮮通信士は漢文が得意なんですね。
そのため、日本人は、朝鮮通信士が来ると、競って揮毫を求め、また自作の漢詩の添削などをしてもらいました。
この時、朝鮮通信士の一行は、足で紙を踏みつけて、ふんぞり返って揮毫したりするんです。
日本人を倭奴(ウェノム)として蔑んでいるんですね。
あんまり、誉められた態度ではないと思いますが。
そして、この小学校教科書の最大の特徴は、日本≠ノ関する記述の異様な多さです。
この教科書は、全部で145ページありますが、実にその内の61ページが、直接的に日本を主題とするページなのです。直接日本に関係しない主題のページでも、チラホラと日本に関する記述は散見されます。ですから、おおよそ半分のページが日本をテーマにしていると言っていいと思います。
これでは、韓国史の教科書か、日本史の教科書かよく分かりませんね。
しかも、これらの記述の大半が、日本に悪意を持って書かれています。一種の同族嫌悪のような記述です。
この教科書で学んだ小学生の頭の中では、日本と韓国が渾然と一体化してしまい、分化できなくなるのではないでしょうか。しかも、日本を嫌いになることは目に見えています。でも「日本離れ」はできない。思えば、罪作りな教科書といえるでしょう。中学、高校の教科書も、似たり寄ったりです。
これでは、韓国の若者の頭の中が、ひたすら日本だらけになるのも無理はない。コンプレックスと、歪んだ優越感でストーカー紛いに日本にこだわる。それなのに反日に走る必然性が理解できます。
多少滑稽でもあり、うら悲しくもある気分になるのは、スピノザだけでしょうか?
こんな教科書を作りながら、日本の教科書に文句を言うのですから、その度胸には恐れ入ります。
これは、韓国にとって究極の敵であり、ナムであるはずの日本が、場合によっては、いきなりウリに変身するカラクリを示している如実な例だと思います。