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19 おまけに車も作れない

 さらに、前にも出てきた、筑波大学教授、古田博司氏の発言を、高崎経済大学教授、八木秀次氏が、「正論」2009年7月号p44〜45の『李朝=インカ帝国説』で紹介しています。
 長い引用になりますが。

――古田氏は日韓歴史共同委員会の教科書班の日本側の班長でもあり、問題の報告は韓国の歴史教科書60冊の内容を客観的に分析したもので、どこが問題なのか私には理解できない(中略)
古田「中世については、この間、朝鮮中世経済史の某氏と話した時に、私が『ちょっと言いにくいんだけど、(中略)どうも僕は、長い間やっていた感触として、李朝はインカ帝国に似ていないか』と聞いたんですよ。そうしたら、彼が『僕もそう思う』と言うんですね。(中略)例えば車がない。輪っかがないんです。なぜかというと、曲げ物をつくる技術がない。木を曲げることができないから樽もないわけですよ。(中略)
 もっとすごいのは、李朝には商店がないんですよ。御用商人の商店が一カ所に集まっている。でも戸が閉まっている。要するに、宮中の御用をするだけなんですね。一般の民衆はどうかというと、みんな市場で買い物をします。北朝鮮と同じなんです。(中略)これは儒教のせいではありません。初めからずっとないのです。北朝鮮も同じで商店がない。闇市しかないわけです」――

 さらに、同じ論文の古田氏。

――「李朝には顔料がないです。だから、赤絵の壷がないでしょう。(中略)ほぼ全部真っ白。(中略)柳宗悦が「朝鮮の白は悲哀の色」といったのですが、それは本当は貧しさの悲哀のことです。(中略)顔料がないのです。コバルトをすこし発色できるだけでしょうか。だから衣も民衆は全部白です。(中略)上流はみんな色付きです。中国から取り寄せて上流階級では色の付いたものを着ている。――

 次は、古田論文を紹介している、八木秀次氏の発言。p45です。

――1805年に鄭東愈という儒者の書いた本によると、朝鮮にないものが三つあって、それは羊と車と針だという。針は衣類に穴が開くくらいの粗雑なものでしかなく、中国から買ってきていたという。
 これが李朝の技術水準だというのだ。にもかかわらず、韓国の教科書では「発達した中世」と書いてあるという。要するにこの時代にすでに資本主義の萌芽があったのに、「日帝」が潰したと言いたいのだ。しかし、実態は停滞した李朝の水準から一躍近代社会をもたらしたのは他ならぬ日本統治である。(後略)――

 どうでしょうか。そもそも、水車がない。ということは、まともな灌漑技術がないのです。これでは、農業が立ちゆかないのは当然です。
 もちろん、国自身も立ちゆかない。
 しかも、李朝では、貨幣経済さえ発展していませんでした。

(写真8)

(写真8)

――1904年旅行資金150ドルを、銅銭に交換して呆然とするアメリカ人記者。内陸に取材にいこうとしたところ、内陸では貨幣の交換ができないために、両替屋でまとめて両替したのだそうです。足元の網の束みたいなものが銅銭の束になります。――
(「エラ通信のチラシの裏」というブログから引用させていただきました。ありがとうございます)

 銅銭しかない。つまり、李朝では高額貨幣の需要が、一切なかったことになります。
 もちろん、李朝に近い時代に当たる江戸時代の日本では、金貨である小判が普通に流通していました。
 庶民は、白衣しか着ていなかったんですから、華やかな色取りのチマ・チョゴリを着た庶民が、平気で登場してくるらしい韓流歴史ドラマなるものは、嘘、捏造だということが分かります。
 もちろん「貧しくとも牧歌的な朝鮮」などというものは、朴慶植や、コリアンたちの頭の中にだけある虚構であることも分かります。
 それにしても、こうして改めて見ると、もの凄い国ですねえ。
 水車はない。顔料はない。車輪はない。商店はない。貨幣経済はない。まともな針一本作れない。(一応、丸太を切ったような車≠ヘありました。でも、曲げて作る車輪はなかったんですね)。
 そこで、窮乏した李氏朝鮮は、様々な利権を諸外国に売り渡します。
 鉄道敷設の権利。
 金鉱の採掘権。
 森林伐採権。電気、電灯、水道の経営権。
 捕鯨権や漁業権。等々。
 およそ、売り払わなかった利権はないほどです。
 真っ直ぐに、亡国の道を歩んでいったのですね。
 この辺も。今の北朝鮮そっくりです。

――2011年8月16日[中央日報/中央日報日本語版]
 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が5月の中国訪問中に肥料とトウモロコシを確保し、茂山(ムサン)鉱山のレアアース開発利権を渡していたことがわかった。――

 こんな調子で、金正日は、様々な利権を、中共とロシアに売り飛ばして政権の延命を図っていました。
 後継者の金正恩も多分同様だと思います。
 将来にわたる国益なんて、眼中にないのですね。


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