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3 情さえあれば、賄賂も平気

 こういう、お金さえあれば、何でもできる、という価値観は、当然、買収、賄賂の横行、という社会現象を生みます。
 普通の若い日本人の嫌韓は、2002年ワールド・カップから始まったことは、最初に書いたとおりです。
 そして、その時に、最もサッカーファンたちの怒りを買ったのは、バイロン・モレノというエクアドル出身の審判でした。
 まあ、スピノザは、サッカーのことはまるで分かりませんが、2ちゃんねるの若者たちが怒っている韓国対イタリア戦の判定に関しては、 FIFA公認のDVDビデオである「FIFA FEVER」において『世紀の10大誤審(ワールドカップの10大誤審)』の『6位と7位に選定されている』(ウィキペディア)という話ですから、ある程度客観性のあるものなのでしょう。
 同じく、ウィキによれば、モレノ氏はこのワールド・カップの後、国際審判から除名されたようです。
 で、2ちゃんねらーの主張は、このモレノ氏が、韓国から買収されていたのだ、というものです。この主張も、モレノ氏の国際審判からの除名、という結果を見れば、あながち間違いではなさそうです。
 また、韓国では、買収や賄賂が、悪いことだ、という概念がそもそもないようです。(これは、詳しい政情は分かりませんが、北朝鮮でも同じことのようです)。
 またしても呉善花さんですが。

「続・スカートの風」p218からです。
――交通違反をしても警官にお金をあげれば、だいたいが許すか罰金を軽くしてくれる。その場合、多くの警官は、お金が欲しいというよりは、それくらいの気持ちがあるならと、人情として許すのである。ここでお説教をしておけば、罰を受けるのと同じだと考える。市民は「なんて心の大きいおまわりさんか」と思うし、警官もそういう自分に満足できるのだ。――

 この話は、実は呉善花さんが、日本語の作文の先生に、フランスから買ってきた高価な香水をプレゼントした。ところが、くだんの先生が、安物のコーヒーカップをお返しにくれた。という話の後にきています。
 そして、呉善花さんは、その作文の先生に、賄賂のつもりで香水を贈ったのだ、と本音が続きます。ところが、その先生は手心を加えないで彼女の作文を採点しました。
 で、呉善花さんは思います。p217です。

――日本人はなんて情実のない冷たい人たちなのか、いったい、人間関係をどう考えているのだろうかと思った。(中略)また、これは韓国人差別ではないかとも思った。――

 こ、これは凄い!
 自分が賄賂を贈ったことは反省せずに、韓国人差別とは! 賄賂を受け取らない日本人は「情実のない冷たい人」なんですね。
 で、p216の述懐。

――こういう、賄賂とも言える先生へのプレゼントは、韓国では普通のことだった。――

 ということだそうです。この先生への賄賂を、寸志(チョンジ)と言います。
 で、この先生に寸志を贈る日がちゃんと決まっていて、「先生の日」と呼ばれます。5月15日だそうです。(昔は、毎月贈っていた、という話もあります)。
 その日は、誰か生徒の親が先生を訪ねてくると、先生は、机の引き出しを少し開けて黙って席を外すのだそうです。そうすると、親は封筒に入れた現金を引き出しに入れる。
 その金額の多寡で、子供に対する先生の待遇が決まる。うっかりすると、先生に無視されて転校せざるを得ないところまで追い詰められることだってあり得るのだそうです。
 成績だって、その寸志の額で決まってくる。
 親も必死です。
 超学歴社会の韓国では、中学、高校の内申点は、子供の人生を左右するのです。
 呉善花さんでさえ、この寸志は当たり前だと思っていたのですから、モレノ氏を買収することにも、韓国人は罪悪感を持たなかったでしょう。
情≠ェあれば、金と権力を持つ人間は何をしてもいい。
 韓国人、と言うより、朝鮮民族はそう考えるのです。
 2ちゃんねる、というかハングル板では、韓国は法治国家ではなく、人治国家だ、とよく言われます。この辺りの事情を、熟知している人の集まりだからでしょう。


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