4 青山里大捷万歳(マンセー)
さてと、こういう、日帝呪いの杭みたいな、嘘はついたもの勝ち、のような精神が、歴史捏造を生み、結局は本当の独立≠不可能にしているのではないでしょうか?
そういうきちっと歴史に向き合わない不誠実な態度の、際立った例が、青山里大捷(チョンサンリ テーチョプ。〈と読むらしい〉)です。
大捷は、取りあえず、大勝利! という意味です。
先ほどからあげている、徐京植が、「過ぎ去らない人々」影書房。p183で次のように述べています。
――(前略)一時は日本軍を大いに脅かした洪範図だが、やがて武器弾薬の不足や味方の内部分裂のために亡命を余儀なくされた。(中略)彼は、19年の3・1独立運動を契機に再び「満州」の間島(現在の中国吉林省)に進撃。数回にわたって朝鮮国境を奇襲した。20年10月、日本軍の「間島出兵」の際には金佐鎮、崔振東などの部隊と合流して日本軍を迎え撃ち、青山里において加納隊長以下「戦死者900余名」という大損害を与えた。(後略)――
なんと!
もの凄い大戦果ですね。
「戦死者900余名」
しかも、加納連隊長(大佐)まで戦死しているというんですから、それは凄い!
こんな大事件ですから、当然、韓国の「国定韓国中学校国史教科書」のp340〜341にも、特筆大書されています。
――金佐鎮が率いる北路軍政署軍をはじめ、さまざまな独立軍部隊は青山里一帯に集結し、日本軍と戦い大きな勝利をあげた。これが青山里大捷である。(1920)。青山里大捷は韓民族の独立戦争の過程であげたもっとも大きな勝利であり、わが同胞に勇気と独立への希望をもたせた。――
同じような内容が、小学校の教科書(p130〜131)にも、高校の教科書(p417〜418)にも堂々と載っています。
誇らしい!
うん……。
うん、しかし、……。
しかし、戦死者900余名が、最も大きな勝利って、それでいいのか? 韓国独立軍。近代の戦争は、数千、数万の死者が普通だぞ。
それにしても、青山里の戦闘って、聞いたことがありませんね。
ちょっと、おかしいぞ。
聞いたこと、おありですか?
聞いたこと、ないでしょう。
スピノザも、長年歴史の教師をやっていて、Enjoy Koreaで読むまで、見たことも聞いたこともありませんでした。