home > 第五章 > 12 壮大無比な桓檀古記と大百済帝国


12 壮大無比な桓檀古記と大百済帝国

「桓檀古記」という本があります。
 さっき出てきた、桓因、桓雄、壇君王儉などの話を書いた本です。
 三国遺事に書いていない。もっと昔の栄光の韓国史について書いてある、というふれこみの本です。

 これは、大変誇らしい。

 なにしろ、檀君は古いと言っても中国の堯の時代です。しかも周の武王が箕子を朝鮮に封じると、さっさと領地を譲り渡して山に隠れてしまう。
 うん、ちょっと情けない。やはり少しばかり、自尊心が痛みます。
 で、「桓檀古記」の出番です。
 壇君より古い、栄光の歴史。ああ、血湧き肉躍りますね。
 ところが、
 ところがですねえ……、
 実はこの「桓檀古記」は、
「1949年に李裕ャが呉炯基に清書させ、1979年に印刷した版である」(ウィキ)
 ということで、日本の「竹内文書」とか、「東日流外三郡誌」なんかと同様の偽史=とんでも本なのです。
 そのことは、
「中国の清の時代の地名や嘉慶(清の仁宗の治世中に使われた元号。1796年ー1820年)以後の言葉『長春』(吉林省の都市。清代にその名が付いた)や、『太白逸史』(「桓檀古記」の一書)の引用書『朝代記』に男女平等、父権などの用語がある」(ウィキ)。( )はスピノザ
 ということからも明らかです。ほぼ議論の余地がありません。
 檀君王倹より古い、紀元前数千年のことを書いた本に、清の時代の地名や、男女平等なんて言葉が出てくるはずがありませんね。
 ところが……。

 ニコニコ動画を見られる人は、以下のリンクが生きていたら見てみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1513420

 このリンクが生きていると、韓国のテレビ局が、歴史番組で、この「桓檀古記」を、まるで史実であるかのように放送している動画を見ることができます。
 これは、なかなかに凄い。


次へ

inserted by FC2 system