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15 誇らしい大朝鮮帝国史

 で、その韓国とんでも歴史観の集大成がこれ。
 その名も「大朝鮮帝国史」です。

――では、実際に本を手にとってみましょう。豪華オールカラー印刷、高級化粧箱入りの全四巻(今は、五巻も出ているようです)、重さはゆうに10キロはあり、タイトルの英訳「THE HISTORY OF GREAT KOREAN EMPIRE」の金文字が燦然と輝く、格調高い書物です。
 表紙をめくると、色鮮やかなオールカラーの挿絵。ページをめくれどめくれど、挿絵。よく見たら、この本、マンガ、でした。――(野平俊水。前掲書p133) ( )内はスピノザ。

 いや、野平先生、マンガは侮れませんよ、マンガは。
 スピノザも子供に「マンガ日本史」と「マンガ世界の歴史」を買い与えたお陰で、子供は割と歴史好きになっています。
 マンガが子供に与える影響は、なかなか侮れない。
 では、その「大朝鮮帝国史」について、その名も「韓国製トンデモ日本史」というブログを参考に見てみましょう。

「韓国製トンデモ日本史」
http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogbd_h14/jog261.html

――日本人があっと驚くようなトンデモ史観が韓国には多い。
 そしてそれは多分に日本にも関わったものだ。
 韓国の大手・東亜出版社は94年に「大朝鮮帝国史」という本を出版した。(中略)
 同様の内容が、韓国陸軍の「民族史教育」で教えられており、もちろん正規の歴史学者からは「考古学的な裏付けがない仮説を全軍に事実かのように教育するのは性急なこと」と批判されている。――(「韓国製トンデモ日本史」)

 この、kimuraお兄さんたちが引っ繰り返ったという、大百済帝国云々、という類のとんでもは、さすがに学校教育の現場では教えられていないんですね。
 でも、陸軍の「民族史教育」では教えられていると、こういうことのようです。
 本当なんでしょうか?
 さすがに、都市伝説だと信じたいところですが、……。
 数々の斜め上をかましてきた民族だからなあ。
 と、ちょっと、態度保留していたところ、次のような事情が明らかになりました!

 野平俊水著「日本人はビックリ! 韓国人の日本偽史」小学館。p190
――1991年10月28日付朝鮮日報。
 韓民族初の国家はBC7199年桓国/陸軍の古代史教材物議
 軍が毎週水曜日の「精神教育の日」の行事に、全将兵を対象とする「民族史教育」の古代史部分が、学会の主流学説とは外れる在野史学者の主張を中心として編集され物議をかもしている。陸軍本部が編集した教材の中で問題になっているのは、「我が民族の最初の国家はBC7199年に建国された桓国であり、その領土はカムチャッカ半島から中東地域までまたがった広大なユーラシア大陸であった」という部分。――

 ううむ、大百済帝国どころか、カムチャッカ半島から中東まで、ウリ領土ですか。(地図3の発想と同じですね)。
 ま、壮大な夢を描くことは結構ですが……。
 本気で、軍隊でこんなこと教えているんですねえ。韓国は徴兵制ですから、男子はみんな、こんなことを教えられるわけですね。
 まあ、学校教育は、案外無力なもんですが(元高校教師のスピノザが言うのも何ですが)、軍隊の教育力は恐るべきものがありますからねえ……。
 この、妄想の過去の領土=A全部回復するつもりなんですかね?
(最近、教科書ではないものの、補助教材でこの内容を載せたものが登場し、物議を醸しているようです)。


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