10 声についての一考察
韓国人が、日本語で歌っているんだから、ハンデはあるだろう、という議論もあるかと思います。
しかし、話はそんな些末なことではないんですね。
正直、合唱の指揮者であり、ボイス・トレーナーでもあるスピノザの耳には、Kポップ・スターたちが、ちゃんとしたボイス・トレーニングを受けているようには聞こえません。腹筋(斜腹筋)や背筋、臀筋、大腰筋などの筋肉の支えがまるでなっていないのです。
合唱でニグロ・スピリチュアルや、ミュージカル・ナンバーを歌うときもありますから、共通する腹筋などの使い方などは分かります。それを使っていない、と言うか鍛えていない。
だから、スカスカの声しか出ないんですね。
ニグロ・スピリチュアルでシャウトするときも、オペラで大オーケストラを相手にアリアを歌うときも、腹筋(斜腹筋)を始めとして、背筋、臀筋、大腰筋などの、使う筋肉は基本的に同じです。声帯の鳴らし方や、鼻腔、口腔への共鳴のさせ方が違うだけです。
そして、こういう筋肉は、訓練次第で鍛えることが出来ます。
きちんとボイストレーニングを積めば、もっと張りのある、艶やかで輝きのある声になります。クラシックだけじゃなくて、ポップスの声でも同じです。
Bzの稲葉さんの声なんかが、典型ですね。あれは素晴らしい声です。GLAYのTERUなんかは、最近不摂生が祟ったのか、声に張りがありませんが、全盛期はいい声でした。
Kポップ歌手たちが、そういうきちんとした訓練を受けているとは、とても思えません。
あまり、ボイス・トレーニングを舐めないでいただきたいものです。
こんな体たらくで、どこをどうしたら、
「スパルタ式の練習によって仕上げられたKーPOPアイドルのダンス、歌唱力の高さ」
なんて評価が出てくるのか、理解に苦しみます。
まあ、良く考えてやっても、金もらって提灯記事を書いているのかな。
悪く考えると、耳が、絶望的に悪いのかも知れません。
だとしたら、致命的ですね。
で、今回、初めてAKB48をちゃんと正座して聴いてみました。
正直なところ、ダンスはKARAや少女時代の方が圧倒的に上手いんだろうと予想していたんです。なにせ、あれだけ絶賛する人が多いんですから。
ところが、どうも勝手が違う。ちょっと目指している方向が違うだけで、あれならどっこいでしょう。(AKBは可愛いを、KARAたちはかっこいいを目指していると思います)。お世辞にもKARAや、少女時代の方がずっと上手いとは言えないと思います。
で、今回驚いたのが歌です。