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14 ナムという名の真っ赤な他人

ナム≠ヘ、端的に言って他人です。
 それも、赤の他人、などという程度の強さの、生易しい他人ではありません。ほとんど、自分の敵、と言ってもいい概念を内包した強さの他人です。
 で、特徴的なのが、コリアンにとって、ウリとナム以外には、人間関係が全く存在しない、ということです。
 グレーゾーンがない。
 白か、黒かしかないのです。
 ナムは、敵と言っていいほど自分から遠い人間ですから、無視して構いません。
 スピノザが読んだ話を総合して、また少し極端≠ノ、カリカチュアライズして言えば、こんな感じだそうです。
 あなたがソウルの街を歩いているとしましょう。あなたの前方から、ちょうどあなたと衝突しそうな進路で韓国人が歩いてきます。あなたは、当然、少しその進路を避けて衝突しないように歩こうとするでしょう。また、相手も、同じような行動をとると期待すると思います。
 それが大間違いです。
 相手の韓国人は、そのまま真っ直ぐに突っ込んできます。一向に回避する様子を見せません。あなたは、慌ててもう一度、さらに大きく避けなければならないでしょう。
 実際のところ、韓国人同士だったら、回避行動なんて面倒なことはしません。
 ただ、そのままぶつかるんです。
 あなただって、たまにはぼんやりしていて人にぶつかることもあると思います。そのときは、きっと「あ、すみません」と言うでしょう。
 ところが、この時ぶつかった韓国人たちは、決して謝ったりしません。
 また、喧嘩にもなりません。(さっきスピノザが読んだ「母=オンマをお願い」のp15にそういう描写があります)。
 韓国人同士は、黙って、お互いを無視したまま、そのまま自分の進行方向に真っ直ぐ歩いていってしまうのです。
 ほとんどそこに存在しないかのように無視していい他人。
 こういうのが、ナムです。


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